韓国超豪華旅行 ページ2


チャルガチ市場

すぐ近くにあるチャルガチ市場に向かった。チャルガチ市場は、港からの魚介類の水揚げされる魚市場だそうだ。ちょうど魚祭りとやらをやっているらしく、大変な人の混みようだ。大きな建物の中に沢山の卸が集まっているらしい。建物の中に入ると、黄色いテーブル腰掛けて食べている人達が目に飛び込んできた。どうやら、新鮮な魚介類をその場で調理して食べさせてくれるようだ。

我々も、食べている人々を横目に見ながら、建物の中をしばらく歩き、決められた席に案内された。瓶の中に生きた魚介類が入っていて、そこに新鮮な海水が常に流れ込むようになっている。腰をかけはじめると、ビニールの前掛けにゴム手袋をはめた、その店のおばさんが飛んできて、すごい形相で、「こっち、こっち!」「こっち、こっち!」と我々を座席の奥に押し込む身振りをする。我々がのんびり詰めていると、またまた、「こっち、こっち!」「こっち、こっち!」とすごい勢いでまくしたてる。あまりのすごさに、我々はびびってしまった。「ああ、なるほど大阪なのね」と同行の女性客が感心して言った。

さて、次から次へと魚介類の刺し身が出てきた。旅慣れた人が日本から持参した刺身醤油とワサビを取り出して、みんなの皿につぐ。店にも用意してあるのだが、韓国のものは日本のものと微妙に味が違うらしい。出てきたイカは透き通っている。なんとも新鮮だ。タコは、タコは大変だ、切られた足がくねくね、くねくねといつまでも動き続けている。「いたた、吸盤が吸い付いた!」。顔をしかめている人がいる。生きのいいタコは吸盤が吸い付くらしい。アワビの刺し身、なんとも贅沢だなと思いつつ、山ほど食べる。ホヤは、ちょっと口に合わないようだ。平目、平目がこんなにうまいとは。白身の上品で蛋白な味だが、ほんのりと絶妙に甘い。いままで食べたことのあるどんな平目よりもうまい。

生野菜が出てきた。この生野菜に唐辛子味噌をつけて、バリバリと食べるのが韓国風らしい。日本では生で食べないような野菜も含まれているが、食べてみるとなかなかうまい。唐辛子味噌との取り合わせがなんともいい。我々はおやつ代わりに食べているようなものなのだが、ついつい食べ過ぎてしまうほどだ。

新鮮な魚介類を堪能し、店のおばちゃんにお礼を言って建物の外に出た。建物の外でも、沢山の人が文字どおりお祭り騒ぎだ。屋台も出ている。なにやら飴らしいものを売っている。屋台の前では、客引きが韓国の民族衣装を来て、鋏を両手にもって、チャカチャカと音を鳴らしながら踊っている。客が注文すると、その鋏で飴を切って、詰めてくれる。バスが近づけないような人だかりの通りの中を、なんとかバスに乗り込み、出発する。先程の飴を買った人がいるようだ。もらって、食べてみる。芋飴だ。芋の素朴な甘い味がする。はるか昔に、こんな飴を食ったことがあったかも知れない。ずいぶんと懐かしい味だ。

慶州

バスはまっすぐに慶州に向かう。慶州とは韓国の古い寺院、仏閣のある都市らしく。日本でいえば、京都のようなところだという。釜山から慶州へは、少し離れている。しばらく、のんびりとして移動する。暗くなりかけたころ、バスはホテルの前で停車した。車窓から一見しただけでも、立派なホテルだということがわかる。聞けば、慶州では最高クラスのホテルだという。国旗掲揚台が並び、各国の国旗がかかっている。こういう国旗掲揚台というのは、それぞれの国の客がきたら国旗を掲揚するのだろうか。とりいえず、チェックインを済ます。部屋までシースルーのエレベータに乗って登る。暗くてよく見えないが、ホテルはレイクサイドにあるらしい。湖に設置された噴水がカラフルにライトアップされ、美しく輝いている。部屋に入ってカーテンを開けると、暗い中に赤い光がところどころに浮かんでいるのが見える。客室から見える場所にバルーンを揚げて、中から照明で発光させているらしい。なんとも凝ったもてなしだ。

カルビ焼肉

チェックインを済ませると、すぐにまたバスに乗って、近くのレストランに出かけた。カルビのうまい焼き肉を食わせるという。レストランに着き、ジャリ石を敷き詰めた庭を歩いていく。韓国風の反った瓦葺きの屋根の立派な建物がある。中に入っていくと、我々は少し遅かったと見えて、もうすでに食事が済んだと見える団体の食器などが残っているが、他に客はいない模様だ。我々のテーブルには白菜キムチ、モヤシのナムル、黒豆などが並んでいる。これは日本の漬物みたいなものらしく、韓国で食事をする場合には必ずテーブルに並んでいた。店によって味は微妙に違うが、どの店で食べても、だいたいうまい。日本で食べるキムチは辛いばかりで、さして美味しくもないのだが、韓国で食べるキムチは実にうまい。作り方が全然違うのだろう。韓国のキムチは辛すぎて日本人には食べられないなどと聞いていたが、辛さは日本の辛いキムチ程度のようである。

アルコールを飲む人々はそれをつまみに、すかさずビールで乾杯を始める。韓国のビールは日本のものとは微妙に味が違うらしい。やがて、鉄板が熱くなってきた頃、ウェイトレスが奥から骨付きカルビを持ってきた。でかい。日本で食べるような骨に肉がこびりついてるようなものではない。分厚く幅広の長い肉の真ん中に申し分けなさそうに骨がちょこんと付いている。ウェイトレスは十分に味の染み込ませてある肉を鉄板の上に載せると、すかさず料理用の鋏で肉を切りはじめた。テーブルには、スライスした生のニンニクも置いてある。かじってみたが、これはちょっと辛い。口直しだろうか。

肉はすぐに焼け、食べはじめる。うまい。美味すぎる。こんなうまいカルビは食ったことがない。甘い味付けだが、甘すぎるということもない、なんとも柔らかく、ジューシーな肉汁が口の中に広がる。カルビだというのに油分が多すぎるということもない。日本とは肉質が違うのだろうか。それにしても韓国で食べる肉のほうが、日本で食べる肉より美味いというのも不思議な話だ。日本人向きの味付けにしてあるのかとも思ったが、そういうわけでもないようだ。韓国人と日本人は味覚が似ているのかも知れない。

空腹が一段落した頃、奥の舞台で、韓国の民族衣装を着た女達が音楽に合せて踊りはじめた。客は我々だけなのだが、サービスの良いことだ。韓国風の辛そうな鍋が出てきた。飲んでみると蟹か海老の味付けだ。しかし、どうもひっかかる味だ。確かに味付けはしっかりとしているのだが、どうもいまいちだ。どうやら、納豆が入っているらしい。「関西人に納豆だすなぁ〜」と言いたいが、韓国で言ってもしかたないだろう。納豆が嫌いでない人には良い味かも知れない。我々は、おいしいカルビを腹一杯食べて、レストランを後にした。

今時の女子高生

ホテルに帰ると女子高生たちがたむろしている。どうも聞きなれた言葉だ。日本人の修学旅行生たちのようだ。最近では、就学旅行も海外が多くなっているらしい。中でも手軽な韓国は人気だという。彼女たちはホテルのあちこちに集まっては、写真を取りまくっている。彼女達に限らず、韓国では日本の高校生に出会うことが多い。高校生も裕福になったものだ。いや、正確には親がだが。近所の高校では、修学旅行を韓国とオーストラリアのいづれかから選べると言っていた。なんとも、はや。良い時代になったものだ。 だが、これは非常に意味のあることだろう。日本では、日韓の歴史について、まともに教えることなどほとんどない。日本が韓国を植民地としていたことさえ、知らないでやってくる人も多い。それ自体は恥ずかしいことだが、韓国を訪れれば、いやおうでも、韓国について興味を持つものだ。昨今、韓国では長く禁止していた日本文化の流入を認めようとし始めている。やがて大人になっていく日本の高校生達が、この国を訪れることは、まさに両国の相互理解と文化交流を図る上で非常に好ましいことなのだ。


前のページ     後のページ


紀行の部屋へ戻る

ホームページへ戻る

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送