韓国超豪華旅行 ページ8


サンゲタン

南北の複雑な現実を知りつつ、我々は昼食へと向かった。なんでも、ソウルでもうまいと評判のサンゲタンの店に連れて行くという。サンゲタンとは、鶏一匹を煮込み、その腹にもち米、朝鮮人参、なつめなどの具を詰め込んだものだ。店の外から、ガラス越しに、鳥を丸焼きにしている様子が見える。

店内に入り、奥の席に案内される。しばらくすると、スープをなみなみと湛えた黒い鉄器が一人一人の前に出てきた。スープは白濁していて、薄いクリーム色だ。スープの上には、グリルされてから十分に煮込まれた、まるごと一匹の若鳥の一部が顔をのぞかせ、松の実が浮かんでいる。スープをすくって飲んでみる。うまい。こくのある、深みのある味だ。よほど長い間煮込まなければ、こんな味は出ない。スープの白濁は長時間煮込むことによって、骨が溶け出したものだろう。同じ白濁でも豚骨スープよりも、ずいぶんと上品で癖がない。若鳥の肉を食べてみる。とろけそうなくらいに柔らかい。肉を食べていくと、身の中から、粥のようなもち米が出てくる。スープとのバランスが絶妙だ。朝鮮人参、これがまた味わい深い。その名前からもわかるように、朝鮮の特産品なのだろう。日本では、高価な朝鮮人参が惜しげもなく入っている。まさに、骨の髄までサンゲタンを堪能する。ずいぶんと量があったはずだが、器は空っぽになった。

再び金浦空港

ソウル市街の免税品店、土産物店でキムチやら、韓国海苔やらを買い込み、空港に向かう。短い日程ではあったが、なんとも濃厚な旅行であった。空港の屋根からは、韓国独特の洋式をした、紐が沢山付いたお飾りがぶら下がっている。途中の土産物でもよく見かけた形だ。外国人客の多い国際線の空港には、その国独自の文化を象徴する工芸品が良く似合うものだ。観光客はそれを見て、異国情緒を感じるのだ。

空港内を歩くと、立派な免税店が並んでいる。まるで、世界中の宝石を一同に集めたかのように、煌びやかなブランド品が並ぶ。誰でもが知っている有名ブランドの酒、煙草、香水、バッグ、カメラの隣には、韓国らしく、キムチ、韓国海苔、松茸、朝鮮人参、伝統工芸品なども並んでいる。人々の欲望をすべて結集したら、こんな店構えになるのだろう。観光客には便利なのだろうが、少し滑稽でもある。

韓国インプレッション

最後に、韓国の印象でも書いてみよう。韓国では、国防に対する意識は非常にしっかりとしている。街中には軍服を着た若者が沢山いるし、徴兵制度は国民にその意識を強くさせる。現在でも、月に一度は民防衛の日があり、国民総参加で軍事練習があるのだ。ソウルのすぐ北には、何をしでかすか分からない北朝鮮があるのだから、このような意識は当然といえば当然だが、これは陸続きに国境を接するヨーロッパ各国でも同じことだ。

韓国人は文化をとても大切にしているように見える。おそらく、その原因は日本にもあるのだ。戦時中、日本は韓国を植民地化し、日本の文化を押し付けた。現代でも、街で出会う年配者は全く韓国アクセントのない流暢な日本語を喋る。民族のアイデンティティとは文化であり、言葉だ。それを奪われる辛さは体験してみなければ分からないだろう。

韓国と聞いて何が思い浮かぶだろうか。日本にいて我々が見聞きするニュースは、韓国よりも北朝鮮のことが多い。人々は脅威にはより敏感に反応するし、マスメディアはそれを反映する。それでは、韓国についてはどうだろう。韓国の国会の馬鹿騒ぎだろうか。わたしは、あれを見る度に、なんと後れた国だろうと思う。恐らくは、欧米の先進国の人々が日本の国会の馬鹿騒ぎを見て、そう思うのと同じように。他には、反日感情むき出しでデモ行進する人々の風景だ。教科書検定問題、閣僚の問題発言、竹島の領土問題、韓国の景気が悪いのは日本のせいだ、という場合もある。いづれにしても、あまり良い印象はない。誰しも敵意を見せる人々に好意的な感情は持ちにくいものだ。

そうすると、どう考えても近代の日本と韓国の関係は良好とは言えない。だが、状況は変わりつつある。韓国では、これまで禁止されていた日本の文化の流入を緩和させようとしている。日本の映画も初めて上映されるという。もう、終戦からかなりの年月が経っている。過去の不幸な出来事に対する感情的なしこりも薄れつつある。だが、それはそれとして、すぐ隣の友人と親交を深めるのも悪くないだろう。人の住まない竹島のことなど、どうでも良いではないか。そもそも、国とは何だ。何を持って国を分けるのだ。民族の区切りか、そう考えるのは日本が単一民族国家だからだ。他民族国家はいくらでもあるし、同じ民族が分断されている場合もある。国を分けるのに明確な根拠などないのだ。そもそも、地球上にもともと国境線などない。

韓国も豊かになり、人々の心にも、だいぶ余裕ができてきたようだ。人々の心は素朴できれいだ。日本でも、韓国人の旅行者を良く見かけるようになった。日本の学生も修学旅行で、大挙して押しかけているぞ。もし、興味を持ったなら、韓国に出かけてみてはどうだろうか。人は海外に出かけるべきだ。異なる文化があることを体験として知るべきだ。世界中に友人ができれば世界は平和になる。誰しも、友人と戦争をしたいとは思わないからだ。

あ〜、そんな感じの旅でしたぁ〜(笑)

というわけで、紀行は終わってゆくのだった(^^;

またまた、長文だったねぇ〜(^^;

良く読んだねぇ〜(笑)

お疲れさまぁ〜(^^)

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